マイボーム腺機能不全

まぶたの病気イメージ画像

マイボーム腺(まぶたのふちの脂の分泌腺)の機能が異常をきたし、慢性の眼不快感を引き起こす疾患です。マイボーム腺から分泌された脂は、涙液の安定性にも関係しているため、マイボーム腺機能不全があるとドライアイの原因になることがあります。

症状

目の不快感、異物感、乾燥感、めやにが常にでている感じがする等という訴えが多いです。

検査、診断

自覚症状、マイボーム腺の所見、角膜を染色し涙液層破壊時間や破壊パターンを診て、ドライアイを伴っているか調べます。

治療

点眼

マクロライド系抗菌薬(アジマイシン)の点眼。(1日2回点眼を2日間、その後1日1回点眼を12日間の計14日間点眼)

眼瞼清拭(Lid Hygiene:リッドハイジーン)

汚れたマイボーム腺の脂の排出を促進し、固まってしまった脂や角化物の詰まりの除去、およびマイボーム腺周囲の細菌量を減少させる目的で行います。指のはらで睫毛の根元周囲をやさしくマッサージする目のふちをきれいにする。当院では、アイシャンプーを用いて行うことをすすめています。

温菴法

眼の周辺を温めることで、マイボーム腺のつまりを緩和します。国際標準治療として以前から効果が認められているご自宅でのケアが温罨法です。これは、マイボーム腺の脂をとかす、まぶたの血流を改善するなどの目的で行うものです。一番重要なことは、まぶたの温度、マイボーム腺周囲の温度をある程度上昇させてある一定時間保つ、ということです。ホットアイマスク(あずきのちからなど)を用いて目の周囲を温めることが効果的です。

眼瞼下垂

まぶたが下がってきて見にくくなる病態です。その原因は、上まぶたを上げる筋肉の力が弱くなったり、その付着部である腱(けん)が弱くなったり、はがれたり、また、穴が開いたりすることです。先天性眼瞼下垂、後天性眼瞼下垂、偽眼瞼下垂があります。

症状

視界がせまい、眠そうに見える、肩こり、頭痛、疲れる、など

治療

手術によってまぶたを上げる筋肉の付着部の強化・修復をします。原因があれば美容目的ではないため保険適応の手術となります。
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眼瞼内反

まぶたが眼球側に入り込んだ状態で、まつ毛が当たり痛みや流涙を引き起こすこともあります。治療としては手術によってまつ毛を外側に向ける筋肉の強化・修復をします。
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眼瞼けいれん

まぶたがピクピクする。光がまぶしくて目があきにくい、目が乾くといった症状を起こすこともあり、ドライアイとの鑑別が難しいことがあります。当院では、ボトックス注射による治療を行っています。ボトックス注射は根本的な治療ではなく個人差はありますが3か月程度で効果はきれるため何度も繰り返し投与する必要があります。保険適応での治療となります。