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日帰り多焦点眼内レンズ白内障手術

日帰り多焦点眼内レンズ白内障手術について

一般的な白内障手術では、単焦点の眼内レンズが用いられます。単焦点眼内レンズを挿入した場合、焦点が合う距離は「近方」「中間」「遠方」のいずれか1点になり、それ以外はメガネが基本的には必要となります。
この弱点をなくしたものが多焦点眼内レンズで、複数個所(2カ所以上)に焦点を合わせることができます。
しかしその分費用面では単焦点眼内レンズに比べて患者さまの負担は大きくなります。
※多焦点眼内レンズ手術は基本的には保険適用外となり、選定療養or自由診療となります。

眼内レンズの選び方

眼内レンズとは、水晶体の代わりに目の中に入れるレンズです。レンズは直径6mm程で、眼内レンズにはいくつかの種類があるため、ご自身に適した種類を選び、医師に相談する必要があります。

眼内レンズは水晶体のように、全てのものにピントを合わせられるわけではありません。適した眼内レンズを選ぶには、生活の中で一番見ている距離、見たい距離を考えることが重要です。なるべく裸眼でいられるよう、ご自身の生活スタイルに適したピントの距離を選びます。(ただし、眼内レンズにピント調節機能はないため、手術後もメガネなどが必要な場合があります。)

参考:参天製薬ホームページ

生活スタイルで選ぶ

ご自身の生活の中で行っている作業のうち、大切にしているもの、一日のうちで一番時間を使っていることをもとにレンズを選ぶ方法もあります。見たい範囲が裸眼で明るく見える眼内レンズが「適したレンズ」といえます。それぞれの眼内レンズで明るくクリアに見られる範囲とご自身の生活スタイルを重ね合わせて患者様とご相談の上眼内レンズを選ぶようにしています。

参考:参天製薬ホームページ

単焦点眼内レンズ

参考:参天製薬ホームページ

遠方・中間・近方のどこか一つにピントを合わせた眼内レンズです。ピントを合わせた距離の範囲内でクリアな視野が得られます。遠くに焦点を合わせた場合は手元を見るのに老眼鏡が、近くに焦点を合わせた場合は遠方を見るのにメガネが必要になります。

多焦点眼内レンズ(低加入)

参考:参天製薬ホームページ

遠方・中間にピントを合わせられる眼内レンズです。ピントを合わせた距離の範囲内でクリアな視野が得られます。ハロー・グレアなどの多焦点眼内レンズ特有の不快な自覚症状を抑えるレンズもあります。手元を見るときにメガネが必要になることがあります。2019年4月より一部のレンズは健康保険適用になりました。

多焦点眼内レンズ(高加入)

参考:参天製薬ホームページ

遠方から中間または近方まで単焦点よりも広い範囲にピントが合わせられる眼内レンズです。幅広い距離にピントがあうため、ほとんどの生活場面において裸眼で過ごすことが可能ですが、見えにくい距離を補助するときにメガネが必要になることもあります。 ハロー・グレアなどの多焦点眼内レンズ特有の不快な自覚症状を抑えるレンズもあります。

当院で取り扱っている多焦点眼内レンズ(自由診療、選定療養)

種類 自費診療 自費診療 自費診療
レンズ形状
レンズ形状名称 Intensity
(インテンシティ)
MINIWELL
(ミニウェル)
MINIWELL PROXA
(ミニウェルプロクサ)
タイプ 5焦点回折型 累進焦点深度拡張型 累進焦点深度拡張型
乱視矯正
焦点 ∞、133cm、80cm、60cm、40cm ∞~40cm ∞~30cm
近方の焦点距離 40cm 40cm 30cm
グレア・ハロー 少ない 少ない 少ない
生産国 イスラエル イタリア イタリア
種類 選定療養 選定療養 選定療養 選定療養
レンズ形状
レンズ形状名称 Fine Vision HP
(ファインビジョン)
Clareon Vivity
(クラレオンビビティー)
Clareon PanOptix
(クラレオンパンオプティクス)
TECNIS Odyssey
(テクニスオデッセイ)
タイプ 回折型 波面制御型 回折型 焦点深度拡張型
乱視矯正
焦点 ∞、75cm、35cm ∞~50cm ∞、60cm、40cm ∞~40cm
近方の焦点距離 35cm 50cm 40cm 40cm
グレア・ハロー やや少ない 少ない やや少ない 少ない
生産国 アメリカ アメリカ アメリカ アメリカ

*医療保険適応の多焦点眼内レンズLENTIS(遠中2焦点)も取り扱っておりますのでご相談ください。

Intensityインテンシティー(自由診療)(乱視あり/なし)

 

INTENSITY(インテンシティー)とはHanita Lenses社(イスラエル)製の回折型の5焦点眼内レンズです。従来の多焦点眼内レンズの「近方」「中間」「遠方」に加え、「遠中」「近中」も含めた5つの焦点距離を併せ持つ眼内レンズで、新しい技術が採用されています。
5焦点眼内レンズ-インテンシティーは2019年にヨーロッパで「CEマーク*」を取得し、日本では2020年9月より、「自由診療」にて取り扱いが開始されました。
*ヨーロッパで安全基準をクリアした製品に与えられる商号

‣Intensityのメリット

・日常生活で幅広い明視域

・光学ロスが少ない

・ハロー・グレアが少ない

‣Intensityのデメリット

・強度近視の方は不向きの可能性あり

40cm以下の近方での視力落ち込み

・費用が高額

料金
種類 片眼 両眼
INTENSITY(乱視なし)(5焦点) 550,000(税込) 1,100,000(税込)
INTENSITY(乱視あり)(5焦点) 605,000(税込) 1,210,000(税込)

*上記費用には手術費用も含まれております。

*術後1か月までの検査費用も含まれております。

*手術直前来院時に費用の一部を前金としていただきます。キャンセル時は前金を返金できかねます。(海外からの取り寄せのレンズになるため発送後のキャンセルができないため)

miniwell PROXAミニウェル プロクサ(自由診療)(乱視矯正なし)

球面収差を利用して連続的にピントの合う幅を広げるEDOF(焦点拡張)構造であり、遠方~近方30cmまでの見え方が自然で単焦点レンズと遜色ないコントラスト感度やシャープさがあります。暗所や暗がりでのハロー・グレアも出にくいため、夜間運転される方に比較的向いているレンズになります。また、先の項で紹介したmini wellを優位眼に挿入し、mini well  PROXAを非優位眼に挿入することで、互いの持つレンズの特徴を補完する独自の光学システム:フェルフュージョン(WELL Fusion)システムというものがあります。老眼の矯正とともに距離や光環境に左右されずにメガネへの依存度を減らすように設計され、焦点深度拡張型 (EDOF)と多焦点眼内レンズの弱点の克服した新しいコンセプトの多焦点眼内レンズです。

‣miniwell PROXAのメリット

・ハロー・グレアが少ないため夜間運転にやや向いている

・近方30cmまでの見え方が自然

iniwell PROXAのデメリット

・乱視矯正ができない

 

料金
種類 片眼 両眼
miniwell PROXA(乱視なし)(3焦点) 550,000(税込) 1,100,000(税込)

*上記費用には手術費用も含まれております。
*術後1か月までの検査費用も含まれております。
*手術直前来院時に費用の一部を前金としていただきます。キャンセル時は前金を返金できかねます。(海外からの取り寄せのレンズになるため発送後のキャンセルができないため)

miniwellミニウェル(自由診療)(乱視あり/なし)

2017年CEマーク取得。球面収差を利用して連続的にピントの合う幅を広げるEDOF(焦点拡張)構造であり、特に遠~中までの見え方が自然で単焦点レンズと遜色ないコントラスト感度やシャープさがあります。暗所や暗がりでのハロー・グレアも出にくいため、夜間運転される方に比較的向いているレンズになります。

‣miniwellのメリット

・ハロー
・グレアが少ないため夜間運転にやや向いている

miniwellのデメリット

・近方(40cmより近い)での視力落ち込み

料金
種類 片眼 両眼
miniwell(乱視なし)(3焦点) 550,000(税込) 1,100,000(税込)
miniwell(乱視あり)(3焦点) 605,000(税込) 1,210,000(税込)

*上記費用には手術費用も含まれております。
*術後1か月までの検査費用も含まれております。
*手術直前来院時に費用の一部を前金としていただきます。キャンセル時は前金を返金できかねます。(海外からの取り寄せのレンズになるため発送後のキャンセルができないため)

Fine Vision HPファインビジョンHP(選定療養)

FINE VISION HP(ファインビジョンHP)はBVI社(アメリカ)製の回折型3焦点眼内レンズです。2010年に世界で初めて登場した3焦点眼内レンズで、海外では同年にCEマークを取得しています。2023年には日本でも厚生省から認可を受けて「選定療養」となりました。
FINE VISION(ファインビジョン)は「遠方と近方」、「遠方と中間」の2種類の2焦点眼内レンズを組み合わせるとによって「遠方・中間・近方」の3つの距離にピントを合わせることが可能になっています。
また、レンズデザインには「アポダイズ回折型」という特殊な構造が用いられており、レンズの中央部分と周辺部で異なる回折構造を持つレンズデザインとなっており、夜間に光を多く取り込むために瞳孔が大きくなると光エネルギーの配分が遠くに多く振り分けられるため、遠方への光の振り分ける量が大きくなり、夜間でも良好な視力を得ることができます。

FINE VISIONのメリット

・近方距離35㎝
・夜間でも良好な視力
・ハロー・グレアが大幅に軽減

FINE VISIONのデメリット

・選定療養では乱視矯正レンズがない
・強度近視の方は不向きの可能性あり

料金
種類 片眼 両眼
FINE VISION(遠中近) 330,000(税込) 660,000(税込)

*上記費用に加えて手術費用(保険診療分)が別途かかります。
*乱視矯正ありのレンズは現在未承認のため採用しておりません。

Clareon Vivityクラレオンビビティー(選定療養)


Clareon Vivity(クラレオン ビビティ)は最新の技術により、多焦点眼内レンズのデメリットを軽減し、同時に単焦点眼内レンズのメリットも持ち合わせた画期的な多焦点眼内レンズです。
独自の技術である「波面制御型焦点深度拡張レンズ」が採用されており、2023年に厚生労働省認可されたばかりの最新の眼内レンズになります。

Clareon Vivityのメリット

・自然な見え方、単焦点レンズ並みのコントラスト感度良好
・ハロー・グレアが大きく軽減
・多くの患者様(他のご病気がある方でも)が適応になる可能性があるレンズ

Clareon Vivityのデメリット

・近方重視の方には不向き
・遠視・近視・乱視が強い方には適応にならない可能性が高い

料金
種類 片眼 両眼
Clareon Vivity(乱視なし)(遠中近) 330,000(税込) 660,000(税込)
Clareon Vivity(乱視あり)(遠中近) 385,000(税込) 770,000(税込)

*上記費用に加えて手術費用(保険診療分)が別途かかります。
*乱視矯正ありのレンズは現在未承認のため採用しておりません。

Clareon PanOptixクラレオンパンオプティクス(選定療養)(乱視あり/なし)

Pan Optix(パンオプティクス)はAlcon社(アメリカ)製の回折型3焦点眼内レンズです。
2019年に国内で初めて厚生省に認可され、2020年に「選定療養」の開始とともに、2023年まで唯一の選定療養の3焦点眼内レンズでした。
ENLIGHTEN™ 光学テクノロジーにより、「∞・60cm・40cm」で中間が60cmにピントのピークがるため、40~80 cmの連続した焦点距離の見え方の質が良いように設計されています。

Clareon PanOptixのメリット

・日常生活でほとんどの場合眼鏡が必要でない
・遠方コントラスト良好

Clareon PanOptixのデメリット

・ハロー・グレアはVivityと比べるとあり

料金
種類 片眼 両眼
ClareonPan Optix(乱視なし)(遠中近) 330,000(税込) 660,000(税込)
ClareonPan Optix(乱視あり)(遠中近) 385,000(税込) 770,000(税込)

*上記費用に加えて手術費用(保険診療分)が別途かかります。

TECNIS Odysseyテクニスオデッセイ(選定療養)(乱視あり/なし)

「テクニス オデッセイ」は「(2焦点+焦点深度拡張(EDOF)型」の多焦点眼内レンズで、遠方から近方までスムーズに見える「連続焦点」が特徴のひとつです。
従来の多焦点眼内レンズは、遠・中・近の特定の距離に明確な焦点を合わせる設計が中心でした。
しかし、「テクニス オデッセイ」は、特定の焦点に依存せず、スムーズにピントが合う範囲を広げることで、より自然な視界を実現しています。

Odysseyのメリット

・遠方から近方への視界の移動がよりスムーズになり、どの距離でも自然に焦点を合わせやすい
・屈折の誤差に対する耐性が高く、特に遠見に対し広範囲にわたりみえる可能性が高い
・Synergyよりハローが抑えられている

Odysseyのデメリット

・近方の見え方少し弱い可能がある

料金
種類 片眼 両眼
TECNIS Odyssey (乱視なし)(遠中近) 350,000(税込) 700,000(税込)
TECNIS Odyssey(乱視あり)(遠中近) 400,000(税込) 800,000(税込)

*上記費用に加えて手術費用(保険診療分)が別途かかります。

トーリック多焦点眼内レンズ(乱視矯正眼内レンズ)

白内障を治療するとともに乱視を軽減できるレンズです。単焦点・多焦点眼内レンズの双方にあります。角膜のゆがみによる乱視の矯正に適したレンズですので、乱視の種類や目の状態によっては、使用に適さない方もいらっしゃいます。当院では、アルコン白内障手術ガイドシステム「VERION™」を使用し乱視軽減による裸眼視力の向上を目指しております。

多焦点眼内レンズの注意点

眼内レンズを一旦入れれば、取り替える必要は基本的にはありません。患者様の目の状態・検査結果、必要な見え方によっては、多焦点眼内レンズが適さない方もいらっしゃるため、希望された眼内レンズが選択できない場合もあります。

1.見え方が合わない、慣れない

・精密な見え方が必要な職業の方(カメラマン、デザイン関係、歯科医など)
・夜間に運転する機会の多い方
・白内障以外の目のご病気などにより医師が不適と判断される場合など

*しばらく経過をみても見え方が合わない場合は眼内レンズを入れ替える手術を行うことがございますが乱視が増えるなどの合併症も多いためよくご相談の上判断いたします。

2.ハロー・グレア

多焦点眼内レンズでは光の回りに輪が見える「ハロー」や光をまぶしく感じる「グレア」が出ることがあります。夜間に車を運転することが多い場合は眼内レンズ選択時に検討が必要です。

参考:参天製薬ホームページ

3.コントラスト感度の低下

コントラスト感度が低下する可能性があり、写真や絵が好きな方はあまりおすすめできないこともあります。

参考:参天製薬ホームページ

当院では多焦点眼内レンズに関しましてかなりこだわりをもっております。白内障手術は一生に一回しか基本的には受けない手術となりますので、患者様に合ったレンズを選択できますようにメリット・デメリットを含めよくご相談してからレンズ決定させていただきます。