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コラム

緑内障手術はどんなときに必要?治療の選択肢について

緑内障は、眼圧の上昇が原因で視神経が損傷し、最終的には視力が失われる可能性のある病気です。
失明のリスクがある恐ろしい病気ですが、早期に発見して適切な治療を行うことで進行を防ぐことができる病気でもあります。
今回は、緑内障手術が必要となる状況や治療の選択肢を解説し、どのタイミングで手術を考慮すべきかについて詳しく説明します。

緑内障とは?

緑内障は、目の中の圧力である「眼圧」が異常に高くなることによって発症します。
眼圧が上がる原因は、目の中で産生される水分がうまく排出されないことです。
眼圧が上がると徐々に視神経に圧力をかけてしまい、視神経が損傷していきます。
最終的には視野が欠けていき、進行すると失明に至ることもあります。
緑内障にはいくつかの種類がありますが、最も一般的なものは「原発開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」と呼ばれるケースです。

手術が必要な場合

緑内障は通常、点眼薬や内服薬、レーザー治療などで眼圧をコントロールする治療が行われます。
しかし、それらの治療を行っても眼圧を下げられない場合や、視神経に深刻な損傷が見られる場合、手術が必要となることがあります。
以下では、手術が必要となるケースを具体的に解説します。

眼圧が薬物治療でコントロールできない場合

点眼薬や内服薬は、緑内障の治療において最も一般的な方法です。
しかし、薬物治療だけでは十分に眼圧を下げられない場合、手術が選択肢として考慮されます。
薬物の効果が不十分であると、視神経の損傷が進行し、視力に深刻な影響を与えることがあるため、眼圧を効果的に下げる手術が必要です。

視神経の損傷が進行している場合

薬やレーザー治療でも眼圧がコントロールできず、視神経が損傷し続けている場合、手術によって眼圧を更に低下させる必要があります。
損傷を最小限に防ぐためにも、早期に手術を行い視力の維持を目指していきます。

視力や視野の変化が著しい場合

進行した緑内障では、視力や視野に異常が現れます。
視野が狭くなる、視野の一部が欠ける、夜間の視力低下が起こるなど、視覚的な問題が生じるようになるでしょう。
これらの症状が日常生活に支障をきたす前に、手術で眼圧を下げて、視力を守ることが求められます。

他の治療法で効果がない場合

薬物治療やレーザー治療を行ったにもかかわらず、眼圧が十分に下がらない場合、手術が必要になることがあります。
また、閉塞隅角緑内障などでは、レーザー治療があまり効果を得られないケースも多く、こうした場合にも手術が最終的な選択肢となります。

緑内障手術の治療法

緑内障の手術にはいくつかの方法があります。それぞれの方法には特徴があり、患者様の状態に応じて最適な手術法が選ばれます。
以下では、手術治療の選択肢について解説します。

切除手術

緑内障手術の中でも最も一般的な方法は、切除手術です。
最もよく行われる手術法は「トラベクレクトミー」と呼ばれ、房水の排出路を作ることで眼圧を下げる方法です。
この手術は、眼圧を効果的に下げることができますが、手術後の感染症や眼内出血などのリスクも伴います。

レーザー手術

レーザー治療は、緑内障手術の中でも比較的低侵襲な方法とされます。
いくつかの種類があり、代表的なものには「レーザー虹彩切除術」などがあります。
レーザーを用いる手術は、眼圧を下げるために房水の排出を促進することが目的です。
レーザー治療は基本的に入院の必要がなく、回復も早いため、患者様への負担が少ない治療法として利用されています。

ミニインベイシブ手術

近年では、ミニインベイシブ緑内障手術(MIGS)が注目されています。
この手術法は、最小限の切開で眼圧を下げることを目指し、患者様への負担が少なく、回復も早いことが特徴です。
MIGSは、特に薬物治療で効果が不十分な場合や、進行が早い緑内障に対して使用されます。

眼内インプラント治療

眼内インプラントは、手術で眼内に直接取り付けるデバイスです。
手術を行うことで房水の流れを改善し、眼圧を下げることができます。
インプラント治療は、進行が早い緑内障や薬物治療に反応しない場合に選択されることが多い方法です。

手術後のフォローアップと注意点

緑内障手術を受けた後は、術後の経過観察が重要です。
手術後の回復を確認するためにも、定期的に眼科に通院するようにしましょう。
また、術後に感染症や眼内出血のリスクがあるため、注意深い管理が必要です。
手術後も眼圧を維持するために、引き続き薬物治療が行われることが多く、視力の維持には長期的なフォローアップが欠かせません。

緑内障を進行させないための治療を

緑内障手術は、薬物治療やレーザー治療で眼圧が十分にコントロールできない場合や、視神経が損傷し始めた場合に必要となります。
手術にはいくつかの種類があり、患者様の状態に合わせて最適な方法が選ばれます。
早期に緑内障を発見し、適切な治療を行うことで視力を守ることができるでしょう。